
第2回 貸金業規正法の改正案について・後編
アナ:
皆さんこんばんは、生活に密着した法律の問題を取り上げていく「悩み解決!あなたのための身近な法律相談所」。この番組の進行を務めます、イトナガナオミです。そして、法律の問題をわかりやすく解説して下さるのは、新宿区高田馬場にある「みどり法務司法書士事務所」の認定司法書士、鳴海彦光さんです。先生、こんばんは。
鳴海先生:
こんばんは、よろしくお願い致します。
アナ:
お願い致します。早速なんですけれども先生。先週は、貸金業規制法の改正案が国会で成立した…というニュースを取り上げてまいりましたけど、改正案のポイントとしまして大きく4本柱の内の、「貸金業の適正化」そして「過剰貸付の抑制」という事について、お話をいただきました。今週は「金利体系の適正化」そして「闇金融対策の強化」、この2つについて、更にお話を伺っていきたいと思います。よろしくお願いします。
鳴海先生:
はい、わかりました。1つは「金利体系の適正化」なんですけどね、これが大きなポイントなんですね。今までは、いわゆるグレーゾーン金利という物があったわけですが…ここはですね、「そもそもグレーゾーン金利とはどういう事なんだ? 」という事からお話します。
アナ:
はい。
鳴海先生:
利息制限法という法律があって、それでは金利が15%から20%に決められていたんですね。でもかたや出資法という法律もあって、その出資法には「金利は29.2%までいい」と決められていました。利息制限法の金利を超えて、出資法の29.2%までの間の金利、これがいわゆるグレーゾーン金利…という事だったんですね。
アナ:
はい。
鳴海先生:
そして貸金業者さんの方はそのグレーゾーンの金利を適用しまして、消費者の方から高い金利を取っていた…という事なんですね。そこでですね、出資法の上限金利は29.2%でしたが、それが一気に20%まで引き下げられた、と。それが1つと、先ほど言ったグレーゾーン金利ね、これもう廃止しちゃおうと。
アナ:
もうそんなわかりにくい事はやめよう、という事ですね。
鳴海先生:
そうです。これがやはり、大きなポイントですね。
アナ:
例えばですね、具体的に10万円借りたとしたら、これまでのグレーゾーンがあった時と法改正後では、どんなふうに変わってくるのでしょうか?
鳴海先生:
そうですね。例えば10万円のお金を借りて、それを元利均等で1年間で支払う…という契約をしますよね。その場合改正前の利息ですと、だいたい約17,000円支払うという事だったんですね。29.2%で契約した…という場合ですよ。
アナ:
17,000円、1年間に返さなければならない利息。
鳴海先生:
それが改正後はですね、約10,000円で済むと。今まで7,000円余分に払っていた物を払わなくて済む、という事になりましたね。
アナ:
はい。
鳴海先生:
それでですね、4つ目の柱ですか。これは「闇金融対策の強化」です。いわゆる闇金融というのはどういう事かというと、登録業者…いわゆる正規の貸金業ではない、と。いわゆる違法業者で当然金利も高く、出資法の29.2%を遥かに越えた金利で貸していると。またそういう闇金融社というのは、例えば暴力団等と裏で繋がっているケースもありますから、かなり取立てなんかも厳しいと。ですからそういう闇金融対策をね、強化しないといけないという事ですね。
アナ:
そうですね。
鳴海先生:
では、具体的にどういうふうに強化になったか。罰則が懲役なんですけどね、今までは最大5年の懲役でした。これが一挙に倍になって、懲役10年という事に強化されました。
アナ:
はい。
鳴海先生:
ですから、先週ご説明しました貸金業の適正化というのがあって、貸金業をちゃんと仕事としてやるためには、純資産額を法人の場合であれば2,000万円とか、最終的には5,000万円にすると、そういう資産を持った業者でなきゃいけなくなるんですね。そもそもそういう正規の業者じゃない、という事なんですね。ですから違反した場合には、罰則を強化すると。最大今まで5年であった懲役が10年と、かなり厳しい罰ですからね。刑事罰ですからね。
アナ:
厳しくなってますよね。
鳴海先生:
それが大体、4つ目になりますね。
アナ:
先生、借りる方にもお金を貸す方にも厳しくなって、借りる側も色々な審査があって厳しくなるわけですけど、例えば急に病気になったりですとか、急に誰かが亡くなってお葬式という場合には、お金を準備できていればいいんですけども、そういう時に借りたいという場合、借りられない状況というのが起こってくるわけですよね?
鳴海先生:
今後は、その可能性ありますよね。今までは消費者金融という事でね、気軽…と言えば語弊があるんですけど、すぐ借り入れが出来たんですね。それが金利がそういうふうに抑制された関係で、貸す方の業者も貸し出しの審査が厳しくなりますよね。そうすると、今仰ったように急な出費が入用になったという場合に、お金を借り入れできなくなる…という場合が生じてきますよね。その辺はですね、やはり今後の課題としてね、政府の方で…例えば緊急の小口融資の制度等を設けるとかね、そういう何らかの対策をしていかないといけない、というふうに思っています。
アナ:
なるほど。この法律の改正なんですけれども、いつ頃から施行されていくんでしょうか?
鳴海先生:
これはですね、概ね大体、3年後が目安です。段階的に…例えば先程の闇金融対策なんかは、もう1ヶ月以内に施行すると。すぐに施行するという形になりますよね。一方、他にもいろんな対策ありましたよね、金利体制の強化だとか。そういう物については2年半とか、概ね大体3年後を目安に施行していく…というスケジュールになっています。
アナ:
なるほど。やっぱり法律だけが変わっても、システムが変わらないと、なかなか全体的にうまく運んでいかないという事で、やっぱりそれくらいの期間を設けて…という事ですか。
鳴海先生:
そういう事ですね。
アナ:
わかりました。2週間にわたって、貸金業規正法改正案のポイントについて、伺ってきました。先生、どうもありがとうございました。
鳴海先生:
はい、ありがとうございました。
アナ:
鳴海先生がいらっしゃる「みどり法務司法書士事務所」では、電話やFAX、メールで相談を受け付けています。相談は無料ですので、お気軽にご相談下さい。連絡先は、電話:03−5155−3520、FAX:03−5155−3525、メール:sodan@midori-js.com。「悩み解決!あなたのための身近な法律相談所」みどり法務司法書士事務所の認定司法書士、鳴海彦光さんにお話を伺いました。どうもありがとうございました。
鳴海先生:
はい、ありがとうございました。
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